散歩道<4114>  

                                  耕論・オピニオン・
弧族の国(3)                 (1)〜(3)続く

                                男よ素直に弱さを認めよ

 パワーゲームの企業社会のノウハウしか身につけてこなかったから「困っている」と言い出せない。でも、その最初のステップがないと手を差し伸べられません。そこで参考になるのが「弱さの情報公開」です。
 「べてるの家」という精神障害者施設では、メンバーが自分の病名を自らつけて周りに公表しそれを互いに知ることで「弱さの絆」を育み、頼りあう関係を築きます。こうした技法は今後、すべての人に必要になるでしょう。
 生涯非婚者の増加は「結婚適齢期」という言葉を吹き飛ばし、ひきこもりのような家族内孤立や、「息子介護」といった家族ぐるみの孤立などを発生させている。この変化はもはや覆せない現実です。
 ならば家族がいようがいまいが、「おひとりさま」を前提に生活や社会を設計し直す必要があるのではないでしょうか。夫婦も親子も、企業で働く者同士の「社縁」も、あれば人生が豊になるエピソードの一つと考えればいいのです。100年生きる超高齢化社会に”一生もの”と言える人間関係はないと割り切って。

'11.1.20.朝日新聞・社会学者・上野 千鶴子さん

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