散歩道<4110>
耕論・オピニオン・弧族の国(2) (1)〜(3)続く
単身リスクみんなで負担を
一方で、1人暮らしは、いざというときに支えてくれる同居家族がいない点で、様々なリスクを抱えるのも事実です。例えば、失業や病気によって働けなくなれば、貧困に落ちるリスクが高まります。結婚していれば、配偶者が働くことでやり繰りできますが、単身世帯ではこうした助け合いができません。
また、介護が必要になった場合の対応も難しくなります。特に、今後増加していく未婚の単身者は、配偶者のみならず子供もいなにので、老後を家族に頼ることが一層困難になっていくと思います。
現行の社会保障制度は、こうした単身世帯の抱えるリスクに十分な対応ができていません。というのも、日本の会保障制度は、家族の助け合いを前提に設計されている面があるからです。たとえば、「介護の社会化」を目的に「介護保険制度が導入されましたが、在宅で要介護者を抱える世帯の7割が「主たる介護者は家族」と回答しています。
家族の助け合いを前提にした結果、日本の社会保障は国際的に見ると、「安上がりな制度」となっています。主要先進国の中で日本の高齢化率はトップだというのに、対国内総生産(GDP)比でみた社会保障給付費は低い水準にとどまっているのです。
'11.1.20.朝日新聞・みずほ情報総研首席研究員・藤森 克彦さん
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