散歩道<4104>
耕論・オピニオン・デフレと年金(1) (1)〜(3)続く
「ありがてえな」の感覚薄く
あたしが高座や講演で年金の噺(はなし)をするようになったのはオヤジの影響が大きいです。落語の道に入った頃、国民年金の保険料を納めていなかった。そしたらオヤジが「年とったときに、みんながもらって自分だけもらえないっていうのは切ないよ。国がやっているから絶対に破綻(はたん)しないし」って言うんですよ。オヤジは勤め先の会社から年金の保険料を給与天引きされていたのに、当の会社が保険料をネコババして納めていなかった。悔しい思いをした分、年金のありがたさも分かっていたんでしょうね。
お年寄りの中には「自分が保険料を払ってためておいたお金を受け取って何が悪い」と思っている人も少なくない。だからあたしは言うんです。
「違いますよ。あなた方が現役のときに払ってきた保険料はみんな、あなたたちのオヤジの世代の年金に使われちゃった。あなたがいま、もらっている年金は若い人の保険料で支えられているんだから、それをわすれちゃいけない」って。そういうと、面白くない顔する人も多いけどね。
'10.12.9.朝日アサヒ新聞・落語家・柳家 さん八さん
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