散歩道<4103>

                                  耕論・オピニオン・
デフレと年金(3)                 (1)〜(3)続く
                              「抜本的な改革」が手直し妨げる

 一方、現行の国民年金は保険料も給付も定額ですが、民主党は所得比例年金に一元化するといいます。いまの保険料は年約18万円ですが、一元化すれば高所得の自営業者には一気に数倍の保険料を負担してもらうことになる。政治的に可能でしょうか。民主党案はスウエーデンの改革がモデルですが、同国の人口は増えると予想されています。もともと自営業者も会社員も同じ制度でしたから、抜本的な改革でもありませんでした。人口減と高齢化が進む日本に同じ制度をあてはめてもうまくいくはずはありませんし、民主党案と現行制度では姿形が違いすぎます。
 改革案を打ち上げたものの、実現が難しくて元のさやに戻り、残るのは不信感だけ。そんな民主党政権が繰り返してきたことが、年金でも起きるのではないでしょうか。
 年金をはじめとする社会保障制度に完全な「正解」はなく、各国が実情に合わせて妥協と話し合いを繰り返し、歴史的に作り上げてきたものです。政治家はその過去の努力を認めるべきで、簡単に否定するのは絶対にやってはいけないこと。斬新な改革しかありえないと思います。

'10.12.9.朝日アサヒ新聞みずほ年金研究所理事・小野 正昭氏

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