散歩道<4102>
オピニオン・デフレと年金(2) (1)〜(3)続く
「抜本的な改革」が手直し妨げる
しかし、本当に抜本改革が必要なのでしょうか。
2007年に「消えた年金」など記録問題が発覚しました。民主党は「現行制度が悪いからこうした問題が起こる」と批判し、いまの年金制度は危ないという結論を持ち出してしまった。でも、年金記録問題は年金制度を管理、運営する上での問題です。運営上の問題を理由に、制度の設計自体を問題視するのは理屈に合いません。
民主党の新制度は、国民年金や厚生年金など職業別ではなく、全国民が同じ制度に入る「一元化」や、所得に応じて年金額が決る「所得比例年金」、最低限の年金を保障する「最低保障」が主な柱です。しかし、最低保障などは民主党が主張する税財源にしなくても、保険料を財源とする現行制度の手直しで十分にできることです。
消費税を財源とする新制度にしたとします。会社員はいまは厚生年金保険料の半分を企業側が負担していますが、税財源になると、その分の企業の負担がなくなり、消費税に転嫁されるので、本人の負担が増えてしまいます。
'10.12.9.朝日アサヒ新聞・みずほ年金研究所理事・小野 正昭氏