散歩道<.4097>
文化変調・揺らぐ権威
権力でなくプロ必要(2) (1)〜(2)続く
多様な憧れ生まれる道は
作家や画家というプロの表現者については、その表現自体を評価すること、そして、その過程の透明性と、結果の信頼性が重要となる。日本芸術院の存在感が希薄になったのは、土台としての「壇」が揺らいでいることに加え、新会員選考に際し、美術関係者の1部に表現の評価とはかけ離れた振る舞いが今も残っていることが影響している。
多くの人が自由に発言できるメディアを手にした今、過程が不透明では、瞬く間に疑いの目で見られてしまう。
そして評価の結果は、多くの納得を得られるものであることが望ましい。民間の文学賞である芥川賞、直木賞が話題を集め続けるのは、これまでの受賞がおおむね妥当だからだ。
揺らぎの見える既存の側にも変化の兆しはある。芸術院では改善の声が上がり始めているし、公募団体展の日展でも中山忠彦理事長*1には特選などの審査を通し、プロとしてのレベルも上げたいという意向がある。
評価も価値も、すべてがフラットになったように見え、一方で発表や観賞の自由度が高まった文化の世界。だからこそ今、多様な憧れが生まれるような道を見いだしてゆきたい。
'10.12.8.朝日新聞
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