散歩道<.4096>
文化変調・揺らぐ権威
権力でなくプロ必要(1) (1)〜(2)続く
多様な憧れ生まれる道は
あなたの子どもの時代のヒーローは誰だったろうか。今ならイチローや本田圭佑を上げる子もいるだろう。そんな存在が、野球やサッカーに励み、応援する思いを強めてゆく。
文化でも、同じようなことが言える。例えば丸谷才一*1著「日本文学史早分かり」は、徳川期に俳句や和歌,漢詩の選集が大流行になった背景として「民間にあって宮廷文化に憧れる時代」だったことを指摘し、ひな祭りや百人一首カルタの例を挙げている。そう、憧れは人に、高みへ上がろうとする動機と勇気を与える。
画壇,文壇等と呼ばれてきた、芸術分野の権威の構造が揺らいでいる。市場経済が力を増し、コミュニケーション手段が多様になるなか、芸術性やプロの評価よりも、売行きやファンの声に、注目が集まる状況が背景にある。
そうした現代においても、憧れは文化を豊かにする上で必要なはずだ。それは、成績が明確なスポーツと違い、誰かが、何らかの形で評価、支持してくれるものだ。
'10.12.8.朝日新聞
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