散歩道<4083>
                          耕論・「成長」を相対化する(3) 内需の縮小」こそが病根だ           (1)〜(4)続く                              

人口減少は必然
 
私は日本の人口減少は必然と考えています。戦争前後の出産増加で増えた人口が1億3千万人まで増えた人口が、6千万人から8千万人当たりの適正規模に戻る過程なのではないでしょうか。
 「小国になれ」というのではありません。8千万人もいれば、欧州なら英仏伊を超え、ドイツ並みの大国です。中国が低迷したこの半世紀程は「臨時の超大国」でしたが、それをやめて「普通の大国」になればいいのです。
 今の日本には欧州などに比べみすぼらしい建物
*2が多いのですが、これは戦後の人口急増に応じて、仮設住宅のように作った臨時の街だからです。日本人の美的感覚が劣っているわけではありません。現に人口が増えなかった江戸時代後半には、各地に美しい町並みが作られました。人口が仮に6千万人になれば、住宅は半分がいらなくなります。品質や価値の高い住宅だけ残せば、ずっと美しい国が復元されます。
 
人口が半分になっても、海外から資源や食糧を購入するための代金は問題なく稼げます。労働者の減少を補う機械化、自動化が、輸出企業の国際競争力を向上させ、貿易黒字はなくなりません。海外から稼ぐ金利・配当の差額である所得黒字も近年増加傾向です。
 また、イタリアやフランス、スイスが得意としているような、高級ブランド服飾工芸品、高級加工食品の輸出は増やせます。欧州のブランド企業の多くは、地方の伝統産業や特産品から発展しましたが、日本にも世界ブランドになり得る地方の伝統工芸や特産品のタネは数多く残っています。例えば、漆器の「輪島塗」。使いこむほど味が出てくる輪島塗は、最近ようやく家電製品に使われ始めましたが、自動車のステアリングや内装、家具などに組み込まれる機会も増えるでしょう。
'11.1.15.朝日新聞・日本政策投資銀行参事役・ 藻谷 浩介氏
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備考1、:人口が減少するのはやもうを得ないという考えには、反対です。歯止めをかける具体的な提言が必要です。それがまず先に国民みんなの問題として考えるべきだと思いますが
備考2散歩道<313>商業については、西欧諸国のように、距離規制が必要なのだ。日本はただ、強いものだけが生き延びるような政策を、政府も取り続けてきたと思う。これでは、すべての商店は生きていけないのが今の状況だと思う。
備考3'99.アサヒビール名誉会長・樋口廣太郎氏の講演「日本経済再生の道筋」の中で、日本国民の住宅の広さ*2に関する話をされた話を思い出した。「日本の役人は、自分が住んでいる住宅より広い敷地で市民が住むことは芳(よし)としないのだ、だから、どうしても小さな家に住むように仕向けたことが、外国人から見れば小さな住宅に住む日本人というイメージが出来たのだと。
備考4、樋口廣太郎氏の後継者であった、アサヒビール会長福地茂雄がNHK会長を退任された。2011年1月24日