散歩道<4082>

                         耕論・「成長」を相対化する(2)                        (1)〜(4)続く 
                            
「内需の縮小」こそが病根だ

 戦後ほぼ2倍に増えた日本の生産年齢人口が96年から減少に転じました。定年退職者数が新規学卒者より多くなったので、この時期に就業者数も減り始めます。そのため、住宅や車や家電製品など現役世代を主な市場とした商品の需要量は下がります。ところが多くの商品の生産は機械化されていますので、就業者数が減っても生産量は下がりません。こうして生まれた供給量が値下げ競争を恒常化させ、消費額の減少を引き起こしているのです。
 これはマクロ的な「デフレ」ではなく、ミクロ的な「値崩れ」です。団塊の世代が65歳を超える2010年
15年には、日本史上最大の約450万人の生産年齢人口の減少が起きるので、過去に経験したことのない深刻な内需不振が懸念されます。
 人口減少の話をすると、「外国人労働者の受入れ」論が必ず出てきますが、過剰な生産力を抱える日本に必要なのは、労働者ではなく消費者です。働かずに消費をしてくれるお金持ちの外国人観光客や短期定住者こそ受け入れるべきなのです。


'11.1.15.朝日新聞・日本政策投資銀行参事役・ 藻谷 浩介氏


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