散歩道<4069>
ザ・コラム・領土の外交(4) (1)〜(4)続く
正論ですめば苦労はいらぬ
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さて、いまなぜロシア大統領が北方領土に乗り込んだのか。理由はいろいろあれ、どうやらその一因が昨年の北方領土担当相に就任以来、「不法占拠」と強調してきた前原誠司外相*1にあるのは間違いなさそうだ。
ソ連の崩壊後ロシアの軟化を求めて様々な誘い水を示してきた日本の首脳らは、実のところ「不法占拠」の言葉を禁句にしてきた。対するロシアも「領土問題はない」などと言わずに交渉に応じてきた。
その封印を解くように「60年以上も不法占拠が続く」と昨年の国会で繰り返したのが麻生太郎首相。ロシアは強く反発したが、期待した鳩山政権でも大差なく、今度は前原氏を外相にしたのだから菅政権も本気で交渉の気はない、とみたのだろう。
「不法占拠」が売り言葉*3なら、「国内視察に過ぎない」とは強烈な買い言葉ではないか。
外交は相手の腹と反応を読みあう知恵比べ。とくに領土交渉は難しい。正論だけで押せるのなら、誰も苦労はいらない。
'10,11,10,朝日新聞・本社コラムニスト・*2若宮啓文氏
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