散歩道<4064>
経済気象台(634)・失われた30年
今の日本経済の光景を見ていると、薄ら寒くなる。景気が再び停滞感を強めているからではない。バブル崩壊後20年も経済が手痛い基調にあり、デフレ状態が長期に亘って続いているのに、そこから脱しようという覚悟が、政府にも民間にも見えないからだ。
経済政策の混乱は見るに堪えない。消費税引き上げを欠く税制改革と選挙目当てのバラマキ政策が、現役世代の負担増、積立金の流用による将来負担の拡大をもたらし、先行きへの不安をかき立てている。
民間でも、お上頼み、既得権益擁護の姿勢が目立つ。企業は、雇用や賃金を削ってため込んだキャッシュを使おうともしないで、成長戦略や税負担の軽減ばかりを政府に求めている。長期雇用や企業年金など正社員の既得権が維持される一方で、若年層は就職難や雇用の不定か、低賃金にあえいでいる。
つまり政府も民間も、自らリスクをとることなく、他者や将来世代の負担・犠牲の下で、現在の自らの利益を守ろうとしているわけだ。また、そもそも現代の若者にとっては、経済の長期停滞とデフレが常態であり、彼らは好況を知らない。そのような状況下では、優れたアイデアや技術、意欲を持つ企業や個人が、新しい領域にチャレンジしようとする気概は生まれるべくもなく、将来の可能性を奪われた若者の精神がなえるのも無理はない。
今の日本に必要なのは、政府、企業、個人それぞれが、日本がよって立つべき基盤を率直に語り合い、現状を拒否し、それを変える大きな戦略の下で、それぞれが自らできることを地道にやり続けることである。それができなければ、日本は「失われた*130年」に陥ることだろう。
'10.12.1.朝日新聞
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備考:散歩道<4064>(実質・4015番)は、1年365日×11年分=4015通書いたことになります。会社時代37年間に書いた1.332通を加えると、計5.347通になります。2011年1月5日
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