散歩道<4046>

                        ザ・コラム・TPPと農業(2)                      (1)〜(4)続く
                           内需拡大こそ競争力強める

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 そもそも国が競うべき経済力とは国民の生活水準であり、各企業の競争力は手段に過ぎない。生活を豊かにするには、自国が得意な分野に集中し、余剰分を輸出して海外で安くつくられる製品と交換すればよい。これが貿易の意義である。
 このとき、何を輸出し何を輸入するかは、各産業の外国に比べた資産性の優位さ(絶対優位)ではなく、国内の他産業と比べて外国に対しより優位か(比較優位)によって決まる。
 たとえば、タオル産業の生産性が中国のライバル企業より優れていても、自動車の中国企業に対する優位さの程度がそれ以上であれば、タオル産業は衰退する。なぜかと言うと、もし自動車でもタオルでも勝てば、日本の経常収支は大幅黒字になって、対害資産が積み上がる。これが円高を予備、相対的に弱いタオル産業が打撃を受ける。その結果、経常収支の過剰黒字が調整される。つまりタオル産業のライバルは、同じ国内の自動車産業だとも言えるのである。

'10.11.24。朝日新聞・大阪大フェロー・小野 善康氏

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