散歩道<4035>

                      社説・国際学力調査(2)                    (1)〜(2)続く
                        根づいたか「未来型学力」

 この10年、様々な学力向上策がとられてきた。まずやり玉に上がったのが「ゆとり教育」だ。基礎・基本の知識を固め直そうと、学びの量を増やす方向に急激にカジが切られた。3年目には全国学力調査が復活。点数を競い合う空気も強まった。
 一方、PISA型学力や読解力を意識した取り組みも進められた。新しい学習指導要領は「生きる力」を掲げ、応用力や表現力を伸ばせ、と説く。全国学力調査では、PISAとよく似た「活力」問題が出題されている。
 「必要な学力とは何か」をめぐり、教育現場は振り回されてきた。この間のどんな努力が結果に結びつき、まだ何が足りないのか。今こそ詳しい検証と整理が必要だろう。
 読解力対策として「朝読書」の活動が広がっている。今回の調査でも読解が身近になったのはうかがえた。冊数を競うだけでなく、感想を話し合い、違う意見もとりいれて発表する。そんな学びを大いに進めたい。
 来春から小学校で使われる教科書はぐんと厚くなる。増えた分量を教え込むのに時間をとられては、考える力をつけさせる余裕はなくなる。教科書の使い方や教科を横断するような形式の授業にも、工夫が必要だ。
 未来に向けて腰を落ち着け、学びの質を換えて行くときだろう。

'10,12.8.朝日新聞

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