散歩道<4034>
社説・国際学力調査(1) (1)〜(2)続く
根づいたか「未来型学力」
全国の15歳(高校生)が参加する学習到達度調査(PISA)の昨年の結果が、公表された。日本の子が苦手としてきた「読解力」の分野で、国別順位が改善されたのが目を引く。
10年前に始まったPISAでは、日本の順位低下が続いていた。政府の新成長戦略でも「世界トップレベルの順位を目指す」と書き込まれた。文部科学省は、1連の政策が功を奏したと、胸をなで下ろしたことだろう。
だが、21世紀を生き抜くための力が日本の子供たちに備わってきたと、本当に喜んでよいのだろうか。
このテストは、情報化・グローバル化が進んだ時代に必要な学力の国際指標といってよい。学んだ知識や技能を使い、実生活で出くわす場面をどう切り開くか、を問う。日本が得意としてきた知識の積み上げでは、なかなか身につかない力だ。
日本の子の読解力の点数は、確かに上がった。だが、文章の中のいくつかの情報を関連図づけたりするのは、やや難ありと指摘されている。別の質問調査では、ネット上で討論に参加したり、生活情報を探索したりする生徒は、各国平均より少ないと分かった。
与えられたものは的確に読み取れるが、言葉という道具を駆使して他人と交わり、考えを深め、社会に役立ててゆくような力強さはまだまだ。そんな日本の子の姿が浮かぶ。
'10,12.8.朝日新聞
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