散歩道<4031>

                        美術展・ウフィツィ美術館自画像コレクション(4)                  (1)(4)続く                

 19、レイトンの国際的教養や古典古代やイタリア絵画の偉大な伝統的知識、古代に依拠した主題の選択は、彼の若い時に行った旅行の実り多い滞在に起因している。
 20、ベックリン:父の世間に定着していた英雄的なイメージを老いの到来の中で保つことは家族にとっては躊躇された、
息子がその自画像に修正を加えたのではないかと批判を受けるが、ビジネス上の急務であると家族が父の英雄的な自画像を寄贈したのは、息子が亡くなった後の家族からである。
 21、クラウスはクロードモネーの印象主義に影響を受けた。クラウスがモネーに共感したのは、一瞬ごとに変化する光への憧憬であった。絵画や彫刻といった純粋芸術に対して下位に位置ずけられていた応用芸術の価値を高めていたアーツアンド・クラフト運動は、19世紀後半に商業主義的となってしまっていた装飾芸術に新たな展開をもたらす革新的な芸術運動であった。社会全体の革新を応用芸術という分野から成し遂げていこうとしていたものだということが分かる。

 22、シャガール*1は、18世紀の東欧で起こった民衆的なユダヤ教神秘主義である世界観を形成しており、「私はイマジネーションや象徴主義という言葉には反対である。私たちの内面であっても、それは現実であり、恐らく目に見える世界を上回るものである」。彼の描く世界は、彼個人の内面と密接に結びついていた「愛、ここではそれがすべてだ」という考えを持っていた。有名人であった彼の寄贈は、多くの人からの寄贈を誘った。その結果1981年の開館400年プロジェクトの展開を容易にした。
 23、杉本博司氏の個人とは、芸術の高尚化とは心の仮面化の歴史だ。人は顔という面を付けて、一生を通して仮面劇を演じ続けなければならないという。最後に自画像は難しい。地画像でもなく、示画像でもなく、似画像でもなく、而
(しかも)画像でもない。という文章は(私には、分かったようで分からないが)面白い。


 '10.12.10.国立国際美術館(大阪)

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