散歩道<4032>

                            社説・職なき若者(1)                    (1)〜(2)続く
                           構造的ミスマッチなくせ

 「超氷河期」という言葉さえ聞く。来春予定の大学生の就職内定率が、過去最低に落ち込んでいる。1年上の先輩達は、6人に1人が進路が決まらぬまま大学を出て新卒未就業者となった。このままゆけば、もっと多くの無業の若者が生まれかねない。
 大学で様々なことを学んだ後、やりがいのある仕事を見つけ、稼ぎを得て社会に足場を築く。そんな人生の予想図はもろくも崩れつつある。
 浮かびあがるのは勝ち組、負け組といわれるような就職格差の広がりだ。企業は厳選採用を進め、予定数に満たなくなっても採用活動を打ち切る。大企業のメガネにかなう人は奪い合いになる一方、受けては落ちることを繰り返し、追いつめられる学生がいる。
 労働政策研究・研修機構が各大学を調べたところ、今春の新卒未就業者が3割以上を占めたのは、新設の私大や小規模校が目立った。大学の就職センター担当者は、「何をしたらいいかわからない」「企業に出すエントリーシートが書けない」といった点を学生の課題に挙げる。途中で就職活動から降りてしまう学生も増えているという。
 今の就職難を不況だけのせいにするのは間違いだ。それを超えた構造的な不運が学生たちを苦しめている。
 20年前に25%だった大学の進学率は5割を超え、多様な若者が学ぶようになった。だが、就職市場はそれに見合うものになっていない。何をすべきかつかめず、社会に出る準備が整わない若者を大学は無責任に送り出す。

'10.11.25.朝日新聞


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