散歩道<4016>
オピニオン・日本@世界
日米同盟と憲法は外交資産・・・・・・・民生大国たれ(6) (1)〜(6)続く
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それが大きく変わったのは、小泉政権からだったように思う。
近隣諸国の抗議をものともせず、首相は靖国神社に参拝し続けた。それでいながら、国連安保理の常任理事国入りを目指す国連外交を繰り広げた。結果は、安保理拡大の枠組み決議案(05年7月)の共同提案国にアジアで加わったのは、アフガニスタン、ブータン*2、モルディブの3ヶ国だけという惨状だった。
「国の損得ということをもっと政治家は考えて欲しい。国のプライドにばかり鋭敏になっているが、それによってどれほど国益を損なっていることか。その逆に個人の方は損得ばかりで、プライドの方は都合よく忘れている。もっと、国の損得、個人のプライドを大切にしようと呼びかけたい」
高村正彦元外相(自民党)はその頃、こんな風に語ったモノである。
歴史問題と領土問題では隣国と紛争が起きやすい。そうした時、「国の損得」を考える反射神経を私たちは身につけなければならないだろう。国益感覚という反射神経である。
それには、透徹したリアリズムと世界に積極的に参画する強い意思とコミュニケーションの力を持たなければならない。
日本の敵は、中国はじめ新興国の台頭にひるみ、グローバル化に背を向ける日本の内なる孤立主義である。自らを孤立に追い込まないようにしなければならない。世界への参画なしに、国を守ることも、国民を守ることもできない。
'10.12.1.朝日新聞・本社主筆・*1船橋洋一氏