散歩道<4012>
オピニオン・日本@世界
国際政治は魔の2年間へ・・・・外交・経済・人材を強化せよ(2) (1)〜(6)続く
権力継承期の不透明さは、北朝鮮に限ったことではない。
中国も2012年の第18回党大会で新体制となる。習近平(シーチンピン)国家副主席が胡錦濤(フーチンタオ)国家主席の後を継ぐと見られているが、それまでの最後の2年間は、政権の政治的"息切れ”(レームダック)期となる恐れもある。「和階(調和)社会」を「掲げてきた胡錦濤政権だが、急成長の影で貧困の格差と腐敗が一層拡大している。
米国のオバマ政権も、中間選挙に大敗し、政権の求心力を失いつつある。2けた近い失業率と戦争疲れもあって米国民は内向きになっている。このほど来日したビル・ブラッドレー米上院議員(民主党)は「民主党、共和党どちらも保護主義傾斜に向かい、中国たたきが広がるだろう」と懸念を表明した。12年の大統領選挙までワシントンの政治は党派的対立に彩られる恐れが強い。
韓国ロシアとも12年の大統領選挙まで、内政は落ち着かない。日本を取り巻く国際政治環境は、不確実な”魔の2年間”を迎える。
世界政治は、中国の台頭と米国の衰退が同時に急激に起こっていることで不安定さを増している。
今年春からの南シナ海、黄海、東シナ海の海洋をめぐる中国とアジア各国の間の領有問題は、「21世紀はアジアの世紀」といった楽観論が時期尚早であることを思い知らされた。東アジアの国のほとんどは海洋文明圏に属する。「海洋の平和」をつくれずに「アジアの世紀」はない。
中国は80年代初頭からの「平和台頭」路線だけでは満足できなくなにつつある。しかし、それに代わる新たな役割と使命を見いだせないようである。中国の海洋戦略の行方がその方向を左右するかもしれない。
'10.12.1.朝日新聞・本社主筆・*1船橋洋一氏