散歩道<4006>
クルーグマンコラム・中間選挙の大敗(4) (1)〜(4)続く
大統領の持つ力、生かせるか
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そして減税問題だ。オバマ氏は共和党は富裕層への減税を獲得するために中間層の人々を人質に取ろうとしていると非難できるはずだし、そうすべきなのだ。彼は、ブッシュ前政権時代に実施された富裕層への減税を恒久化することは予算上の大問題であり、その規模は今後75年以上にわたり、社会保障費の不足額にまるまる匹敵するということを指摘できるはずだ。にもかかわらず、彼はまたもや、共和党との交渉のテーブルに臨むよりはるか前に自分自身と交渉しているのだ。
それでもまだ、オバマ氏は計り知れない力を持っている。自らそれを使おうとするならば、だが。国内では、(法案への)署名拒否権や連邦上院に対する支配、そして最高位の公職としての影響力がある。彼は住宅ローン救済のような実施的な行政の執行権限をまだもっている。その住宅ローン救済では政府系住宅金融大手のファニーメイやフレディーマックを通じた巨大なレバレッジは言うに及ばず、まだ使われていない何十億jもの救済資金がある。国外では、彼は世界で最大の経済力を率いており、中国や他の悪いふるまいをする連中に厳しい立場を取るべく超党派の支持を得ることも出来る。
しかし、大統領が実際に確固とした姿勢を取るために自身にこのような力があることに気付くことができなければ、何にもならないのだ。そして、その兆候は良いものではない。
'10.11.18.朝日新聞・クルーグマン・コラム・Paul Krugman氏
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