散歩道<3967>

                       横浜APECを前に・「開国」を問う《1》      
                            自由貿易工程描け(2)             (1)〜(2)続く                

・・・APECに加盟する21ヶ国・地域の自由化を進めるため、環太平洋パートナーシップ(TPP)が注目されていますが、日本では農業の市場開放に反対論が強いです。
 「もし日本がTPPに入らなかったら、沈むだけでしょうね。菅直人首相は『最小不幸社会』を目指すといっているが、国民1人あたりの国内総生産(GDP)が減っているということは、みんなの幸せ感を維持できず、不幸な人を作っているということに他ならない。米国は、成長するアジアに足場を築こうと、シンガポールやニュージランドなど小さな国が結んだ開放度の高い協定であるTPPに注目した。日本がルール作りの段階から参画すれば、この分野は猶予期間を認めてほしいとも言えるが、土俵が決った後では条件が厳しくなる」
・・・・・貿易自由化では、韓国が先行しています。
 「私は2006年から2年間、シンガポールに駐在していたが、タクシーが日本メーカーから韓国の現代自動車にがらっと変わるのを目の当りにした。北京でも、日本製品から現代とフォオルクスワーゲンにあっという間に切り替わった。韓国は自分たちの生きる道として、海外市場で強くなることが国益だと考え、国を挙げて競争力、安全性、耐久性の向上に努めた。そうした考え方が欧州連合(EU)や米国との自由貿易協定の終結にもつながっており、国内の農産物市場を開くという大決断をもした」
・・・・日本は決断できるのでしょうか
 「日本の農業には、強い分野もある。北京のスーパーに行くと、日本のおコメが跳ぶように売れる。リンゴも贈答用に中国産の10倍の値段で売っている。農業が犠牲に、という発想ではなく、元気にする方策を実施すべきだ」
・・・・横浜APECの議長国・日本に期待することは。
 「20年までにAPEC域内での『アジア太平洋自由貿易圏(FTAAP)』を実現するという構想に向け、
工程表を作り、「横浜宣言」として打ち出すべきだ。日本は産業も農業も強い。もっと自信を持たないと。

'10.11.6.朝日新聞・相原 元八郎氏

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