散歩道<3963>
日本@世界・「通商国家」の原点に返れ(4) (1)〜(4)続く
「自由で開かれた国際秩序」を築け 日本もTPPに積極参加を
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日本政府も交渉に参加し、最初のルールづくりに参加すべきだが、なお決めかねている様子である。
先月24日、首相公邸に全閣僚と民主党幹部が集まり、TPPの勉強会をがあった。その席には松下忠洋経済産業副大臣もいた。松下氏は現在国民新党所属だが、かっては自民党で農林部会長も務めた筋金入りの農林族である。
1993年の冬、ウルグアイ・ラウンドによるコメ自由化反対のため、国会前で一昼夜座り込んだ。その後、ジュネーブに行き、ガット本部前で韓国の国会議員とともにコメ自由化反対を叫んだ。松下氏は勉強会で次のように言った。「私はいま、痛切に後悔している。農産物自由化絶対反対の結果はどうだったのか、それが日本の農業を強くしたのか。ウルグアイ・ラウンド対策事業費として農村につぎ込んだカネは6兆円だったが、その約7割が公共事業に回った。農業の改革に全く役に立たなかった。対策期間中、農家の一戸当りの農業所得は3%減少した」「一方、あの時一緒に座り込んだ韓国はその後15年間、農業の体質改善を進めた。そして、EU、米国とのFTAを結んだ。同じ失敗を二度も繰り返してはならない」
松下氏は、日本の通商と農業の戦略的関連をそのように説いた。
民主党にはTPPへの反対も強い。だが、民主党政権が過去20年の自民党のように保護主義に立てこもるようであれば、何のための政権交代だったのか。民主党の政権公約は「コンプリート(公共事業)から人(自立農家)」ではなかったのか。
少なくとも自民党は,20世紀後半の日本とアジアの繁栄の土台となった日米同盟を作った。民主党は、21世紀の自由で開かれたアジア太平洋の基盤となる経済同盟を作るべきである。
'10.11.3.朝日新聞・本社主筆・*1船橋洋一氏
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