散歩道<3962>

                       日本@世界・「通商国家」の原点に返れ(3)                    (1)〜(4)続く           
                 「自由で開かれた国際秩序」を築け  日本もTPPに積極参加を
      
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 アジアでも日中共生のためのそのような地域的な”仕掛け”をもっと工夫したいところだ。
 日本は15年ぶりにAPEC首脳会議を主催する。せっかくAPECを豪州とともに世に出しておきながら、日本はその後、最大の眼目である市場自由化から逃亡した。日本の冷戦後の「失われた20年」
*2は、自由化に背を向けた20年でもあった。既得権益保護によって、日本は政治も経済も停滞し、投資も雇用も萎(な)え、農業も農村も疲弊した。その教訓を踏まえ、今回は、市場開放の決意を固めなければならない。
 TPP
(環太平洋パートナーシップ協定)交渉に参加することを世界に向って明確に表明する時である。
 これは、シンガポール、ニュージランド、チリといった、国の規模は小さいが、域内自由化に熱心な国々が、関税ゼロの混じりけのないFTA(自由貿易協定)をつくろうと始めた環太平洋の多角的自由化交渉である。このままでは中国本位の垂直的統合にのみ込まれてしまうという小国の恐怖感が背景にある。それに対して、TPPは 域内経済の水平的統合を目指す。それによって自由貿易のルールと「法の支配」を改めて確立する。ここでは大国も小国も平等である。それが「法の支配」の原則であり、「自由で開かれた国際秩序の礎である。TPPはそのための経済同盟にほかならない。米国も豪州などとともに現在、参加交渉に入っている。

'10.11.3.朝日新聞・本社主筆・*1船橋洋一氏

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