散歩道<3960>
日本@世界・「通商国家」の原点に返れ(1) (1)〜(4)続く
「自由で開かれた国際秩序」を築け 日本もTPPに積極参加を
今月はアジア太平洋が世界の外交の晴れ舞台となる。
ソウルでのG20首脳会議に続いて横浜でアジア太平洋経済協力会議(APEC )首脳会議が開かれる。オバマ米大統領がインド、インドネシア、韓国、日本を歴訪する。 ここで取り組まなければならない課題はまことに大きい。
戦後のG7先進国主体の世界経済運営の枠組から、中国、インド、ブラジル、トルコ、南アフリカなどの新興国を加えた国際秩序を作り上げることができるのか、世界の成長の機関車であるアジア太平洋の平和と安定をどのようにつくるのか。
新興国では、毎年、世界全体で7千万人づつ中産階級が増えている。その一方で、グローバル化と共振しながら、国民の間の富と機会の格差*3が広がっている。新興中間層は、社会の安定力となるが、公正と分配を要求する現状打破勢力ともなる。彼等が参加するサイバー空間では、ゲリラ的な民主主義と粗暴な民族主義が同時に沸騰している。
アジアは、域内内需を活発にし、自立的成長の軌道に乗せなければならない。対米輸出で黒字を溜め込む成長は限界に来ている。エネルギーと水と環境の壁を克服しなければならない。アジアの石油輸入依存度は2005年には36%だったが、2030年には65%になると予想されている。
この中で、日本は立つ位置を見失いつつある。
いつまでもG7にしがみついているわけにはいかない。かといってG20がマクロ経済政策の指令塔になるかどうかは未知数だ。APEC も失速状態が続いている
もう一度、通商国家の原点に立ち返り、日本とアジア太平洋、そして日本と世界をより深く結びつける通商投資戦略を確立するときである。
'10.11.3.朝日新聞・本社主筆・*1船橋洋一氏
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