散歩道<3938>

                       opinion・ザ・コラム・
尖閣諸島(1)                (1)〜(4)続く
                          南海の波、静める知恵を

 数年前英ダラム大にある国境紛争研究所を訪ねたことがある。1980年から世界の国境紛争を調査し、各国に平和解決の助言をしてきた。紛争をエスカレートさせないよう、各国外交官が当事者2ヶ国に分かれ、知恵を絞る演習もしてきた。研修を受けた外交官は100カ国以上、約800人にのぼる。
 「絶海の孤島でも、領土紛争は武力衝突を招きやすい。民族の誇りに直結し、ナショナリズムをあおるからだ」
 そういってマーティン・ブラット研究部長は、82年に起きた英・アルゼンチンのフォークランド戦争を例に挙げた。
 その警告を思い出したのは、、先月末、シンガポール紙が伝えたリー・クアンユー顧問相の発言を読んだからだ。尖閣諸島の漁船衝突で、菅直人政権が中国人船長を釈放したことを評価し、こう語ったという。
 「別の方法をとっていたら、どうなっていたか。中国は海軍を送り、日本も海上自衛隊を派遣する。今は日本が優勢だが、中国は空母を建造し、10年以内には日本より大きな艦隊を持つ。そのことを考慮すべきだ」 

'10.10.20.朝日新聞・編集委員・*1外岡 秀俊氏


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