散歩道<3934>
オピニオン・インドは甘くない(1) (1)〜(3)続く
政経の戦略ないと空振りも
衰退しつつある日本経済にとって、中国に次ぐ大市場であるインドは大事だ。しかし、問題は、100年に一度という世界的な経済危機の中で日本に明確な戦略があるか、どうかだ。経済連携協定(EPA)の合意で二国間の貿易投資の自由化が進みそうだが、いくつかの論点がある。
ひとつに、鳩山前政権が打ち出した「東アジア共同体」構想の路線が、菅政権に代わって見直されたのか。
この共同体構想は、中国との関係を強化しながらアジアを包み込む考え方だった。鳩山政権に比べ、米国との協調を重視する菅政権では、アジア太平洋経済協力会議(APEC)の域内での自由化を進めようとしている。だが、農家の戸別所得補償が進まず、日本は多国間の農産物市場の自由化に踏み切れない。そこでインドとの二国間の自由化で先鞭をつけた、とみることもできなくはない。
米欧の市場が低迷し、輸出国は皆、市場の囲い込みを測っている。日本は中国、韓国の攻勢で以前より輸出市場でシエアを落とし、さらに通貨切り下げ競争の中で不利に立たされている。韓国が一足早くインドとの自由化に踏み切ったので、日本も競争力を高める必要があった。
また、覇権主義を強める中国に対し,牽制しようという狙いも働いただろう。
'10.10.8.朝日新聞・慶応大教授・*1金子 勝さん
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