散歩道<3933>
                        
                             オピニオンインドは甘くない(2)               (1)〜(2)続く
                           
優秀・緻密・でも最後は熱意

 それでも契約できたのは、熱意が通じたからです。インドは核家族かも進んでいるとはいえ3世代同居も多く、人間的なつながりを大事にする伝統的な価値観が残っています。ビジネスではもちろん明確なビジョンを示せるか、お互いの利益になる価格で折り合えるか、など冷静に判断してきますが、交渉相手の人間性によるところも大きい。食事でもしながら懐に飛び込み、粘り強くやらないと、信用してくれません。
 日本の方がインドを見るとき、どこかまだ優越感をもっていませんか。例えばインドでは飛行機も列車も定刻通りに動かないことが多く、予定通りにいきません。道路も整備されていないし、牛の群れで待たされることもある。「だからインドは・・・」という日本のビジネスマンの言葉をよく聞きます。
 交渉ごとで完全はありません。10のうち、最初は2、3とれればよし、の感覚でいいじゃないですか。そして腰を据えて手を結べる相手だと思わせることです。
 日本の存在を示すには、ビジネスから一度離れてみてはどうでしょう。例えばスポーツ。インドではプロサッカーも人気がありますが、子どものサッカー教室のスポンサーになったりすれば、日本企業の認知度はあがりますよ。
 身分階級のカースト制度については、細かく言えば何千という階級があり、インド人でさえ分からない。ヒンドゥー教、イスラム教など宗教上の慣習には気を配るべきですが、ビジネスマナーの常識を抑えればいいです。インド人は労働意識が高く、与えられた仕事は確実にします。
 「ライトパーソン(Right Person)になり得る相手です。


'10.10.23.朝日新聞・インド新聞・プロジェクトリーダー・ゴーシュ・オングシュマンさん