散歩道<3924>

                          オピニオン・耕論外交と世論(2)            (1)〜(4) 続く     ・・・・・発想を変える 
                              民主的外交公開し説明を        

ネットの過激化

 鳩山由紀夫内閣、菅直人内閣と続く民主党政権は、「政治主導」の外交を提唱しているにもかかわらず、こうした国際環境の構造的変化に無関心だった。今回の事件は、現実に直面して過剰な反応をした結果であろう。
 現在は、国民がしらないところで職業外交官が交渉して合意を得る「旧外交」の時代とはことなり、世論に配慮し外交を公開で進める「民主的外交」の時代だ。民主党が掲げる「政治主導」の外交は正しい。ただ、ここで問題となるのは、日本も含む世界の主要国でナショナリスティックで過激な世論が一部で勢力を増し、政治家、さらに「政治主導」の外交に影響を及ぼしている点にある。これはインターネットの普及と深く結びついており、それにより外交が大きく変わりつつある。
 フランスの政治思想家トルビルは150年前、「人民大衆は無知あるいは情念に引きずられることがある」と述べ、外交における民主政治の問題点を指摘した。名著「アメリカのデモクラシー」で民主政治を称揚したトルビルにして、民主主義の最大の弱点として、外交を挙げている。
 
'10.10.13.朝日新聞・慶応大学准教授・細谷 雄一さん