散歩道<3918>
社説・5 兆円補正(2) (1)〜(2) 続く
「雇用を第一」もっと鮮明に
むしろ必要なのは、議論をきちんと戦わせた上で、より良い結論を導き出そうとする努力ではないか。合意を急ぐあまりに野党の要求を丸のみするのでは、来年度予算編成でも各党の要望を次々と受入れ、予算額が膨れ上がってしまいかねない。
持続的に雇用を生み出すのは容易ではない。いま失業者は約300万人。そのほかに国内企業は600万人規模の余剰人員を抱えていると言われる。菅政権は、この状況を克服するため集中的に取り組むべきだ。
この視点に立てば、今回の対策は力不足だ。これでは首相の「雇用 雇用 雇用」のメッセージは国民に届かず、雇用不安もぬぐえない。
短期的な景気循環を前提にした、これまでのような公共事業や企業の設備投資を促す施策が中心の経済対策では、いまの長期停滞もデフレも解消できない。雇用拡大を柱に、環境や医療、介護、保育といった新たな成長市場を生み出し、国民の将来不安をなくしていくことが求められる。
そこをどう具体化できるか。斬新なアイデアが問われている。来年度予算では、雇用と成長本位の政策に力強く乗り出せるよう、与野党の本格的な議論と検討作業を望みたい。