散歩道<390>
面白い話(46)・玄関・ゴシップ
かたえくぼ:尊敬する人:@福沢 諭吉 A樋口 一葉 B野口 英世(さみだれ)
空巣が突いた現代人の盲点「玄関」(げんかん)
空巣(あきす)がもの売りなどに化けて、彼等のお得意先の見聞をする時、まず玄関先の履物の脱ぎ具合を見るという。不揃いに脱ぎちらかしてあるような家は、戸締りもだらしなく、彼等の上得意ということになる。社会通念からいえば、許せない不逞の輩(やから)だが、玄関というものをよく知っている点ではどうして見上げたものだ、というのも、「玄関とは」もともと仏教用語で「玄妙な道に入る関門のことだった。臨済宗の開祖栄西(えいさい)も建仁寺(けんにんじ)内の重要な門を「玄関」と呼び、単なる出入り口以上の意味を与えている。「玄関先で失礼」などと、玄関を粗末にする現代人が空巣ごときに遅れをとるのも、その玄妙さを理解しないからかもしれない。
楽しみながら神様とつきあう法「ゴシップ」
ある女性週刊誌の編集長によると、この種の雑誌にゴシップ記事が欠かせないのは、それがもっとも女性の噂話に乗りやすく、それに伴って雑誌の名前が吹聴される効果があるからだという。文字どおり「雑談、世間話、悪口、陰口」を意味する。「ゴシップ(gossip)」の効果をならっているわけだ。ところが、この語の語源をたどると意外なところにたどりつく。中世英語の「ゴッドシブ(godsibf)」がそれで、「神との関り合い」という意味がある。それが、「親友」とか、「友だち」を示すようになり、親友にだけ話す話、つまり現在のゴシップの意味になった。噂話をしながら、神様とおつきあいができるとは、西洋の神様も意外に物分りがよい。(樋口清之様)