散歩道<3890>

                        
 クルーグマンコラム・中国に対抗すること 変わるか米国の受け身姿勢(1)                  (1)〜(4)続く

 きまじめの人々は9月29日の連邦下院での採決にぎょっとした。サンダー・レビン議員(民主党)が提案した、中国の人民元政策に対する制裁を可能にする方案が、党派を超えた圧倒的な賛成で成立したのだ。
 実質的には今回の法案は非常に穏かな内容だった。といっても、法案には通商戦争と、グローバル経済の崩壊という恐ろしい警告が存在していた。その一方で、粛々と外交的解決を追求したほうが良かったという立派な意見もあったのだ。
 しかし生真面目な人々に、この経済危機が起きたときから非常に多くの点で間違ってきた人々(覚えているだろうか。財政赤字がどう金利の急騰と急激なインフレにつながったというのだろうか?)は、今回の件でもまた間違っているのだ。中国の通貨政策に対する外交は何の役にも立たなかったし、今後も、報復という脅しによる裏付けがない限り、同じことがつづくだろう。貿易戦争が怒るという誇大宣伝は筋が通らないし、とに角、通商摩擦よりも 悪いことが存在するのだ。中国の略奪的な通貨政策でより悪化した大量の失業が起きている局面において、ほんの少しであっても(中国に)新たな関税を課すという可能性は、私たちの心配事のリストの中では、下位においておくべきなのである。

'10.10.7.朝日新聞・米プリンストン大教授・パウル・グルマン

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