散歩道<3889>

                            社説・ノーベル化学賞・(2)                   (1)〜(2)続く
                             「鈴木反応」が花開いた

 物理学や医学生理学をふくめた日本人の科学分野でのノーベル賞は湯川秀樹さん以来、合計で15人になった。1900年代は5人だったが、2000年から3年連続で4人が受賞してはずみがついた。ノーベル賞は日本にとって、決して珍しいものではなくなってきた。日本の研究水準の高さを示すといっていいだろう。
 もっとも、日本の科学の現状は決して楽観できない。このところ、短期的な成果を求める風潮が強まり、じっくり腰を落ち着けて取り組む研究がしにくくなっているのが気がかりだ。
 人材が重要と言われながら、博士号をとっても就職は厳しい。研究現場は若者たちが夢を持って飛び込んでいける場ではなくなりつつある。
 事業仕分けの研究への厳しい評価が、若い研究者の意欲をそいだことも指摘されている。
 改めて、日本の研究を伸ばすことを考えなければならない。科学技術こそ、日本の未来がかかっている。
 これからも、独創的な研究成果を生み出す国でありたい。若い人たちにはぜひ、先輩達に続いてほしいし、そのための環境作りが大切だ。


'10.10.7.朝日新聞

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