散歩道<3883>
経済気象台(618)・減速する輸出の今後
我が国の輸出は今年2月の対前年比45%増をピークに伸び率を低下させ、8月には16%増まで下がった。一方、中国、韓国、台湾、の同月輸出は30%増前後である。我が国の輸出額は、いまだ2年前のリーマン・ショック以前の74%の水準にとどまっている。輸出は全地域向けで伸び率が低下し、特に米国、欧州向けの落ち込みが大きい。業種別では、輸出回復を牽引してきた最大輸出品の自動車の伸び率がピーク時の5分の1以下、化学品、電子部品なども半分以下となった。
輸出の伸び率が低下した構造的要因としては@先進国を中心とすた経済回復の減速A極端な円の独歩高による価格競争力の低下Bパソコン、薄型テレビ、携帯電話、半導体などの国際競争力の低下C自動車、同部品、オートバイ、エアコン、白物家電などの新興国を中心とした現地生産・販売の急激な増加Dエアコン、デジカメ、ゲーム機などのアジア生産・世界販売の増加、がある。
現地生産・販売とアジア生産・世界販売の拡大は、我が国からの輸出の減少要因だが、一方で投資収益の回収、日本人の海外雇用の増大、日本からの設備財・部品輸出の増加、日本での研究開発、マザー工場生産の機能強化によって、経済の安定化や日本企業の国際競争力の強化につながっている。
我が国からの輸出を促進するため、政府は極端な円高を阻止する政策を強力に行うとともに、FTAの締結促進やインフラ輸出などの支援を強化し、中国、韓国などと同等の競争条件を確保することが必要である。企業はグローバル市場で勝ち抜くことのできる商品、サービス、ビジネスモデルで、市場に挑戦し続けるしかない。