散歩道<3868>
オピニオン・あすを探る・経済・(1) (1)〜(3)続く
障害者活かすゲーム理論
この夏、ベルリンにいった。目的は、知的障害者とその家族の世界大会に参加し、一経済学者として講演することである。大会の主催団体は、人々を分け隔てなく社会に包み込むという意味を込めたインクルージョン・インターナショナル。
なぜ経済学者が?と訝る(いぶかる)人も多いに違いない。実際、これまで福祉と経済は水と油のように扱われてきた。その両者の間の溝を埋めるべく、数年前に一つのプロジェクトがはじまった。リサーチ・オン・エコノミー・アンド・ディアビリティ(障害と経済の研究)通称READである。日本が世界に発信するこの試みを大会主催者が取り上げてくれたのだ。
経済学が重視する費用対効果の視点は福祉の世界では評判が悪い。大会では、障害者施策の費用を他の有益な投資に回したときの効果を計算させる問題がナチスドイツ時代の算数の教科書に載っていたという逸話も披露され、暗に経済学の視点がやり玉に挙がっていた。
'10.9.30. 朝日新聞・東京大教授・松井 彰彦氏
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