散歩道<3855>
社説・中国船長釈放 (2) (1)〜(2)続く
甘い外交、苦い政治判断
ニューヨークでの菅直人首相とオバマ米大統領の会談では、対中関係で両国の緊密な連携を確認した。クリントン国務長官*1は前原誠司外相に、尖閣が米国による日本防衛義務を定めた日米安保条約の対象になると明言した。
その米国も日中の緊張は早く解消してほしいというのが本音だろう。菅政権が米首脳の発言を政治判断の好機と考えたとしても不思議ではない。
確かに船長の拘束期限である29日を待たずに、このタイミングで釈放を発表した判断には疑問がのこる。
圧力をかければ日本は折れるという印象を中国に与えた可能性もある。それは今後、はっきりと払拭(ふっしょく)していかなければならない。
そもそも菅政権は最初に船長逮捕に踏み切った時、その後の中国側の出方や最終的な着地点を描けなかったのか。船長の勾留を延長した判断も含め、民主党外交の甘さを指摘されても仕方がない。苦い教訓として猛省すべきだ。
日本はこれからも、発展する中国と必然的に相互依存関係を深めていく。それは日本自身の利益でもある。
簡単に揺るがない関係を築くには、「戦略的互恵関係」の具体的な中身を冷徹に詰めていく必要がある。
何より民主党政権に欠けているのは事態がこじれる前に率直な意思疎通ができるような政治家同士のパイプだ。急いで構築しまければならない。
'10.9.25.朝日新聞
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