散歩道<3825>
                            社説・民主・論戦始まる(2)              (1)〜(2)続く
                             小沢氏では財政が心配だ        

 それを判断するリトマス試験紙が来年度予算編成だろう。各省庁の概算要求が出そろった今こそ、両氏の考えを比べる格好の場面だ。
 一般会計の要求総額は97兆円に迫り、要求額としては過去最大に膨らんだ。国債の償還や利払いにあてる国債費を除き、一般歳出の要求額は73兆円近くとなったが、菅政権はこれを今年度予算並の「71兆円以下」に抑える方針だ。新規国債発行を今年度と同じ44兆円とする目標も掲げている。
 菅政権が引き続き編成を進めるなら、この要求額から1兆〜2兆円削れば目標枠は達成できそうだ。
 税収を上回る44兆円もの借金は異常なことだが、日本経済の体力や世界経済の先行きの不確実性を考えれば、一気に緊縮へ舵
(かじ)は切りにくい。まずはこれを守ることが最低ラインだ。
 だが「小沢首相」が誕生したら、無駄の削減が看板倒れとなって、大盤振る舞いにならないか。小沢氏は子ども手当てを来年度は月額2万円に引き上げる方針を掲げた。そのうえにほかのマニフェストをすべて実施すれば予算は4兆〜5兆円膨らむ。
 それでも「71兆円枠」や「44兆円枠」は守れるのだろうか。あるいは小沢氏は、これらの枠を守らなくていいという考えなのか。そこをまず明らかにしてもらわなくてはならない。
 「守る」という姿勢なら、財源を具体的に説明する必要があることは言うまでもない。
 先進国での最悪の日本の借金財政は、国債相場の急落の引き金となる危険が増している。小沢氏の路線では、それに拍車をかける不安もぬぐいされない。
'10.9.2.朝日新聞

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