散歩道<3821>
社説・米軍のイラク撤兵(1) (1)〜(3)続く
重い教訓に向き合うとき
米国のオバマ大統領は2011年末までに、イラク駐留米軍の完全撤退をめざす。中間目標は、今年末までの戦闘任務終了だ。この方針に沿い、戦闘部隊が隣国クエートに撤兵した。
米軍は今月末、ピーク時の約3分の1の5万人に減リ、後を引き継ぐイラク治安部隊の訓練が主な任務となる。
すでに、イラクでの米軍の死者は4.400人を越え、イラクの民間人の死者は10万人以上とも言われる。イラクを離れた兵士が外国の従軍記者に応えた。「何がいいかって?第一に、もう誰も傷つかないこと」。この戦争は正しかったのか。任務とはいえ、兵士たちにも複雑な思いが去来したのではないだろうか。
同時多発テロが起きた時、多くの国々、人々がテロに立ち向かう米国を後押しした。だが、強引にサダム・フセイン政権打倒に突き進む米国のやり方は世界を分裂させ、イスラム世界の反発も強めることになり、むしろテロはイラク内外に拡散した。
この戦争は何だったのか。開戦した米国も、戦争を支持した日本も、深く自問自答すべきときだ。
「予防戦争」の深い傷
少し振り返ってみよう。
イラクが大量破壊兵器を隠し持っている疑いがある。テロ組織に渡ると大きな脅威になる。それが、時のブッシュ米大統領が戦端を開く「大義」だったが、決定的な証拠を欠いていた。それでも、独仏などの反対を押し切り、英伊などとの有志連合で攻撃を始めた。武力行使を明確に容認する国連安保理決議はないままだった。
'10.8.23.朝日新聞
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備考:この項は、10回目('10).9・11同時多発テロ事件ということになる。
備考:'10.9.11.この日の朝日新聞にこの事件に関する報道はほとんどなかった、ここにも時間の流れを感じる。