散歩道<3812>

                           経済気象台(602)・アジアシフト

 米国経済は二番底*1をつける予想が強まっている。欧州も停滞が続く中、世界経済の成長点は新興国、特に中国やインドなどアジアにシフトしてきた。日本の不況殻の脱出もそこに照準を合わせる必要がある。同時に、その態勢はもっと徹底する必要があろう。
 これまでの日本は欧米市場への参入を成長の突破口としてきた。そこでは欧米の期待に応える品質を生み出すために、まず国内の消費者の厳しい選択眼に答えることに各社がしのぎを削っていた。それで技術が向上し品質の改善も進んだのがだ,1997年以降、あっと言う間に日本の所得水準は低下し始め、日本の人々にとっても「過剰品質で割高」という面が出てきた、日本でも、そしてアジア諸国に対しても、所得水準や所得の格差、また生活文化の多様さに即した価格とスペックをこれまでの技術の蓄積から生み出す、という転換がもとめられている。
 もう一つは中国を含めた主要国がアジアの市場を囲い込むことに懸命になっている中で、アジア諸国に日本への期待があることである。中国は一緒に仕事をする相手としては敬遠されている。中国の人々のお金や利益に対する徹底した発想は欧米資本以上であり、その背景には覇権主義もあると受けとめられている。
 アジア諸国にとっては、日本と組むことは安心で信頼できる。目的を共有でき、社員の向上意欲も大切にされ、家族も含めて皆が幸せになれるという期待もある。それは大切なことだと思う。だが、応えるにも時がある。鉄は熱いうちに打たなければならない。
 この二つの面を含めて、日本はもっと徹底してアジアシフトする時が来ているのではないか。


'10.8.5.朝日新聞

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