散歩道<3798>

                          社説・景気対策(1)                       (1)〜(2)続く
                        成長戦略踏まえ骨太に

 急場しのぎではなく、雇用の維持・創出を軸に新成長戦略を前倒しで実施するような骨太の政策こそが求められているのではないか。
 菅政権と民主党が景気対策の検討に入ったが、自公政権の政策をなぞらえるような手法であってはならない。菅直人首相が持論とする雇用重視の「第三の道」へ大胆に踏み出すべきだ。
 日本経済には懸念材料が増えている。15年ぶりの水準まで縁だがドル安が進み、輸出産業の採算が悪化している。株価も下がっている。回復への自信が揺らぎ、金融市場や与野党から経済政策を求める声があがった。
 必要な対策は一刻も早くうつべきだ。若者の就職難はひどい状況が続いているから、職業訓練や企業に対する採用助成策の拡充をはじめ、雇用の悪化を防ぐための取り組みは強めなければならないところだ。
 一方、年末に期限となる省エネ家電のエコポイント制度のように、もともと需要の先食いで効果も薄れてきた施策には、これ以上頼れない。環境エネルギーや医療・介護、観光などに焦点を当てた新成長戦略を踏まえて、もっと効果の期待できる政策に重心を移すべきではあるまいか。
 そのためにも大事なのは、首相自身が掲げる「財政再建と成長の両立」である。景気対策として雇用と内需の創出を図るにも、借金頼みではなくまとまった財源が必要になるからだ。

'10.8.21.朝日新聞

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