散歩道<3797>

                           社説・民主党代表選(2)                        (1)〜(2)続く
                                   なんのために戦うのか

 具体的には、財源不足で行き詰まった昨年の衆院選マニフェストを大胆に見直すのか、それとも文字通りの実現にこだわるのか。菅首相が提起した消費税の引き上げ論議に踏み出すのか、それとも棚上げするのか、である。
 互いに相容れない二つの潮流を整理できないままでは、だれが首相でっても力強い政権運営はおぼつかない。ねじれ国会の下で不可欠な、野党との話し合いに臨む足場も定まらない。
 2週間にわたる代表選で、党員・サポーターも参加して徹底した政策論争を行う。その上で勝敗が決すれば、あとは一致結束して政策を遂行する民主党が進むべき道はそこにある。
 寄り合い所帯で出発した民主党は、亀裂を恐れるあまり外交・安全保障など意見が割れるテーマで党内論議を怠ってきた。もう逃げはゆるされない。
 菅首相はマニフェストや消費税に対する考えを封印し、争点をぼかそうとしている節がある。これはいただけない。正式な立候補表明では対立をいとわず、堂々と信念を語ってほしい。
 小沢氏周辺では「小沢首相」待望論が勢いを増しているという。しかし、政治とカネの問題や強権的な政治手法で政権交代への幻滅を招き、今の苦境を招いたのは小沢氏ではないか。
 政治資金では、いまだに国会で何の説明もしていない。検察審査会の判断次第では強制起訴の可能性も残る。
 けじめをつけないままの立候補は、民主党政権からの民心のさらなる離反を招くだろう。

'10.8.21.朝日新聞