散歩道<3793>
社説・65回目の終戦記念日(1) (1)〜(3)続く
「昭和システム」との訣別
脚本家の倉本聰氏作・演出の舞台「歸国(きこく)」が、この夏各地で上演されている。8月15日未明の東京駅ホームに、65年前に南洋で戦死した兵士達の霊が、軍用列車から降り立つ。
「戦後65年、日本はあの敗戦から立ち直り、世界有数の豊かな国家として成功したんじゃなかったのか」「俺たちは今のような空しい日本を作るためにあの戦いで死んだつもりはない」
もうひとつの戦後
劇中の「英霊」ならずとも、こんなはずでは、と感じている人は少なくないだろう。戦後、日本は戦争の反省に立って平和憲法を掲げ,奇跡と呼ばれた経済成長を成し遂げた。なのに、私たちの社会は、いいしれぬ閉塞感にさいなまれているように映る。
日本は昨年、戦後初めての本格的な政権交代を経験した。55年体制からの脱却は数多くの混乱を生んだ。
民主政権は、政治主導という看板を掲げて舞台に立った。事業仕分けや事務次官会議の廃止など一部で成果を上げはしたが、まだ見えない壁の前でもがいているいるように見える。
この分厚い壁とは何か、いつ作り上げられたのか。
米国の歴史家、ジョン。ダワー氏近著「昭和 戦争と平和の日本」官僚制*1は「戦争によって強化され、その後の7年近くにおよぶ占領によってさらに強化された」と指摘する。同様に、日本型経営や護送船団方式など戦後の日本を支えた仕組みの多くは、戦争中にその根を持つ。
'10.8.15.朝日新聞
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