散歩道<3777>
耕論・参りなん、いざ あなたがいたから、ぼくがいた(2) (1)〜(2)続く
その人が、かって存在した事実を、お墓を通じて確かめることは「魂の救命ロープ」になるんです。お盆などに、亡くなったおじいちゃんおばあちゃんの墓前にいくと、存在を一層身近に感じるのと同じです。
僕の仕事は「文芸研究家」です。作品を批評するつもりはありません。ひたすら「あれもこれもすばらしい!」と訴え続けてできるだけ芸術の敷居を低くし、すべての人が芸術を楽しめるようにしたい。民族や文化が違っても音楽や絵画が胸を打つのは、人類が分かり合える証拠です。
ホームページのアクセス数は累計1600万*1を超えました。専門の教育を受けていない僕の言葉に人々が耳を傾けてくれるのは、墓参りを続けることで「この人の芸術への熱意は本物だ」と感じてくれるからでは、と思います。
十辺舎一九の墓には「此(こ)の世(よ)をば どりゃお暇(いとま)と 線香の 煙と共に はい左様(さよう)なら」という辞世の句が刻まれていました。さっそうと世を去る軽やかさにしびれました。行き様、死に様に触れるのも墓参りの魅力です。
俳優のチャールズ・ブロンソンの墓には「私の墓の前で泣かないでください。私はここにはいません」という「千の風になって」*2の元になった詞が刻まれていました。彼の優しさがうれしいような、「ちゃんと墓にいてくださいよ」と泣きたいような、複雑な気持ちでした。
僕の墓は、喜劇役者のダニー・ケイのようなベンチ型の墓石にしたいですね。訪れた人に座ってもらう。「わざわざ来てくれてありがとう」という思いを伝えたいんです。
'10.8.11.朝日新聞・墓マイラー・文芸研究家・カジポン・マルコ・残月
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備考:*1このアクセス数は、すごい!、私の散歩道は、以前のものも含めても、トータルしても33,530だからだ。