散歩道<3772>               

                          オピニオン社会・あすを探る(3)               (1)〜(3)続く
                           多数派ゲーム もうやめよう 

 それでも、感情のはけ口がスポーツなどでとどまっているうちは、まだよい。この動きを利用しようとする強いリーダーシップをもつ政治家が現れて、誰か特定の人物あるいは組織を対象に「みなさんを苦しめているのはこれだ!」と攻撃をしかけたらどうなるだろう。実際に、事業仕分けの評価の高さや「みんなの党」の躍進を見ると、「公務員や特定法人こそが税金のムダづかい」としてそこに非難が一極集中する、という構図も生まれている。
 すべての問題に、すぐ答えが出るとは限らない。全面的に正しいものもなければ、全面的に間違いというものもめったにない。大切なのは、中途半端なところで判断を保留にし、世間の多数派につこうとせずに、時間をかけて逡巡
(しゅんじゅん)し続けることだ。その為には、「答えを決められないうちに少数派になってしまうかも」と不安からパニック状態に陥らないようにしなくてはならない。不安は、外からやってくるものではなくて、自分の心の中から生まれている。「即断即決しなくていいんだよ」と自分に声をかけて、とりあえずは落ち着いてみる。答えを出すのは、それからなのではないか。


 '10.7.29.朝日新聞・立教大教授・精神科医・*1香山リカさん

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