散歩道<3766>

                          社説・企業の芸術支援どう引き出す(1)             (1)〜(2)続く    ・・・・・発想を変える

 企業が設立した美術館の厳しい運営が続いている。美術品を集めた創業者は経営者からはなれ、金融危機による事業の見直しも逆風だ。公立美術館も財政難に苦しむ。今後の芸術振興を担うのは官か民か。国内外で美術館運営に携わり、兵庫県立美術館長に就任した蓑豊(みのゆたか)氏に聞いた。

・・・大阪市港区のサントリーミュジアム「天保山」が大阪市に譲渡されるようです。「美術館運営はもう企業に望めないのでしょうか。
 「美術館は本来、民間がやるべきでしょう。身構えて門をくぐるのではなく、自宅のリビングのような短さ、遠方からの客を連れて行く『わが街の美術館』という、プライドをもてるのが理想だ」
 「公立でも親しみがもてる仕組みが必要だ。一般的に市立美術館の来館者は年間5万人。でも「奇跡の美術館」といわれる金沢21世紀美術館は150万人。中が見えるガラス張り、四方から自由に出入りできる円形の構造、無料ゾーン、午後10時まで開館という工夫で、市民の美術館を目指したから奇跡が起きた」
・・・・他の美術館はそういきません。
 「日本の公立美術館は、たくさんの人に来てもらおうという意識が薄い。(集客数と)関係なく予算がつくから学芸員が自分の(勝手な)展覧会をやっちゃう。米国だと、ヒトが来てカネを落としてくれなければ二度とやらせてもらえない」
・・・・日本の美術館の投資回収率は115%と聞きます。
 「米国でも100%とまでは言いませんが、私も苦労して資金集めをしました。新規開拓で協力者を増やし、資金集めのスキルがないと学芸員にはなれない。日本の学芸員は研究だけ。それなら大学か、研究所にいけばいい」

'10.7.29.朝日新聞・兵庫県立美術館長・蓑豊氏

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