散歩道<3763>

                               ザ・コラム・郵政改革と財政(1)                (1)〜(3)続く          ・・・・・発想を変える
                             郵預が国債暴落を防ぐ日

 参院選での与党の大敗北で、郵政改革の行く方が不透明になっている。小泉改革の象徴として郵政民営化が決ったが、これに反対する国民新党が政権交代で与党に入ってから、民営化路線の反転が鮮明になった。しかし、民営化反転のために政府が用意した郵政改革法案は、与党の大敗で成立の見通しが立たなくなっている。
 郵政民営化は何のために必要だったのか。政治的な意味合いを捨てて単純化していえば、本来の目的は郵政預金と簡易保険の縮小だった。
 郵預や簡保の保険料として国民から集められた大量の資金が、市場の規律を受けないで政府の好きなように非効率に使われることが問題だった。放置すれば、郵預や簡保は将来大きな赤字をつくり、穴埋めに国民は巨大な税負担を背負う恐れがあった。これを未然に防止するため、市場規律のない官営金融の資金の流れを縮小し、最終的には消滅させる。それが郵政民営化の目的だったはずである。
 長い間、郵預や簡保で国民から集められた資金は、大蔵省(現財務相)の財政投融資計画にしたがって、公共的な事業に投融資されていた。この仕組みは日本の成長期には大きな意味があったが、成熟期に入ると、国債を買い支え、政府系の特殊法人などに投融資して非効率な事業を助長させることになった。

'10.7.28.朝日新聞経済産業研究所上席研究員・小林 慶一郎氏

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