散歩道<3761>          

                         仕事力・素であることこそ強い(3)                (1)〜(4)続く

 人には日常生活に驚きや喜びがいる 

機能充足の時代にはどんあことが起きるのか   会議室で話し合ってもお客様の心はわからない
 恐らく現代はもう「物」に関して不自由なことはほとんどありません。家庭生活でも会社でも困ることはないほどです。機能面は豊かです。しかし、それは変化や、苦労も含めて驚きがない日常を過ごさなければならないことと同義なのです。1日24時間その中で非日常的なことはほとんど起こりません。極めて当たり前の日常がづっと続いていくだけです。ならば、その必ず続く日常を豊かに、小さな驚きや喜びが満ちた日々にしたいと無意識に願う。だから単に食事を作るとか、くつろぐとか、お風呂に入る、寝るといった日常がすてきであって欲しいと切望するのではないでしょうか。
 お客様の心は送り手が肌で感じることしかできないものだと思います。データや調査による分析をしても外れることもあれば答えをつかみきれないこともあります。そこでの方法は、街のすみずみまで歩くことだと思います。そして目に入ってくる現状に興味を抱き、これはなぜ起きているのだろうと考えます。自分の先入観を捨て素のままで、何に「おやっ」っと思うか試してみてください。繰り返していくうちに感覚は磨かれます。データー的なマーケッテイグだけでなく、目の前にいる人、身近な友人や生活者が喜ぶことはなにか。それを実現することが最も大切です。世の中の一般的な理屈や価値判断に、こちらが当てはまろうとする必要はありません。自分で自分の土俵を作って、その上でベストを目指せばいいのです。友人にどんなハッピーサプライズをあげようかと思いをめぐらせ、ささやかでも驚きや喜びを届けられるような、一人ひとりの思いやりのあるマーケティングが今後、最も重要だと私は考えています。


'10.7.4〜7.25.朝日新聞パルス代表取締役社長・高島 郁夫氏

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