散歩道<367>
面白い話(43)・いとこ・封切り
かたえくぼ:国産と偽装し販売:よいカモにされた・・・・・・・・・・・輸入カモ肉(哲)
縁があれば、どんな女も可愛い「いとこ」
民法上「いとこ」は四親等にあたり、異性の場合なら結婚もできるから、身内の中でも、もっとも身近な他人ということになる。現在でも、親戚縁者一般をいとこと呼ぶ地方もあるそうだが、昔は、もっと広い意味で使われていた。もともとは、かわいい、とかだいじなという形容詞「いとしい」が変化してできたともいわれ、民族学者の柳田国男(やなぎたくにお)によると、「おやこ」がタテの関係を表わすのに対して、「いとこ」は広くヨコのつながりを表わす言葉として使われたという。こうみると、単に親戚関係を表わすこの言葉にも、身近な他人に対する一種の愛情表現が含まれていたことがわかる。樋口清之
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江戸の出版界の慣習「封切り」
ベストセラーメーカーといわれた故神吉晴夫氏(かんきはるお)は、新刊書の新聞広告には、かならず”書き下ろし封切り版”の1句を入れさせたという。これを見た映画フアン、なんだか映画の広告みたいだと笑ったが、もともと「封切り」という言葉、江戸時代の出版界の慣習から使われはじめたものだから、出版社が使っても何ら不思議はない。当時は、新しい本が出来あがると、1冊1冊袋に入れ、丁寧に封をしてから販路に流すのが慣習だった。読者は、新刊書を手に入れると、期待感に胸をふくらませながら封を切った。さすがベストセラーの神様と謳われただけに、神吉氏はそのへんのツボも心得ていたのだろう。樋口清之