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文化・ 希望は人生に不可欠?
「若者はいいます、『将来の事なんか考えたくない』とその背後にあるのは、将来の不満や不安というより、もっと漠とした感覚です」。こう唱える『希望学宣言』のためのメモと題した草案は、分かりやすい理由ずけを退け、何者にも収まらない、若者の気分を読み解こうとする。メモによればひきこもりや学力低下で象徴されがちな若者達の問題は、時代状況とかかわる。「希望はいつまでも存在する」という前提が失われつつある社会で、方向性を見出せず揺れる彼らこそ、実は社会の危険を誰よりも早く察知し、シグナルを発する存在かも知れない、という。著書『仕事の中のあいまいな不安』『ニート』で若い世代を労働経済学の立場から考察してきた、玄田さん「問題は若い人ばかりではないんです。高齢者だって果たしてどれだけ希望をイメージできているか」.必要なのは、希望を抱かせるための即効薬でなく、希望とは何か問い直すことだと考える。「例えば希望ってなくちゃいけないのか。個人的にはありゃよいってもんじゃないだろう、って思う」。例えば戦前、戦後の「希望」という言葉の用いられ方の変遷をたどったり、2〜3世代に渡るある家族の歴史を追跡して生活の中の希望のあり方の変化を調べたり。あくまで「社会科学的、実証主義的な形で」調査・分析を進め、希望ある社会の姿を探る。冒頭の「希望学宣言」を出す。シンポジュームや「希望サロン」の開設も検討する。サロンは色々な人が出入りし、能力を示せる場所にしたい。若い世代がやりたいことを見つけられないのは、『希望との出会い方』を大人が伝えてこなかったせいだと思います。ただし「仲良しクラブじゃなくてね」とも、人と人とは分かり合えないけれど、信頼に基づいたゆるやかなつながりを築く可能性はある。2010年5月12日
'05.5.11.朝日新聞,東大社会科学研がプロジェクト・玄田有史助教授
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