散歩道<3538>
社説・上海万博・国威より学びあいの場に(2) (1)〜(2)続く
今の中国はすでに解きほぐしがたく世界とからみあっている。世界全体の行方は中国人と密接につながる。であれば、自国宣伝や国威発揮より相互理解を深めるための万博にする。それが、大国たる中国で開く意義ではなかろうか。
中国には存在感を訴えるより、むしろ「より良い都市、より良い生活」のテーマにふさわしい環境を守るというスタンスを貫いてほしい。
例えば、日本館は太陽電池と一体化した軽量膜が覆うドームで、排熱や換気には打ち水などの伝統の知恵を活用する。スイス舘は自然分解する大豆繊維を使っている。各国が環境への優しさを競う。そこで学びあうのは大きな意義がある。
また、これだけ多くの中語人が外国人と触れ合うのは初めてだ。世界が「より良い生活」のために何をしているのか、その思想は何か、を知ってもらいたい。万博はモノを見たり見せたりするだけでなく、人々が交流する場でもあるはずだ。
上海は日中戦争で日本が軍事占領した都会でもある。戦前、約10万人ともいわれる日本人社会があった。世界有数の経済都市となった今も、企業駐在員ら邦人約5万人が暮らし、縁は深い。万博には100万の日本人の入場も期待される。日本舘の前評判も高い。日中間でも理解を深めるための好機だ。
'10.5.1.朝日新聞
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