散歩道<3533> 
                     
                    opinion・新世界・国々の興亡<5>                         ・・・・・発想を変える
                    新たな紛争、「介入」から「保護」へ(4)          (1)〜(5)続く       自分流に抜粋しました

                       複雑化する平和維持の概念

・・・・中国などは国家主権の侵害とみなし、「保護する責任」に否定的です。
   気候変動問題のような公共財の分野では”帝国主義的支配”の余地は少ないと思います。我々は毎日同じ空気を吸っており、公平に共有された公共財なら受入れ可能な解決策に向かっていくはずです。ただ私が懸念しているのは、これらの問題に国際協調主義で臨むしかないとしても、それをうまく営んでいかないとそれ自体が新たな紛争の源となりかねないということです。
・・・紛争予防で、先進国と途上国がうまく連携しているモデルはありますか。
   ICGのような市民社会(シビルソサエティー)こそがその役割を果たすと思います。市民社会の台頭は、女性の権利や情報革命と並ぶ革命的な影響を国際社会に与えています。スーダンのダルフールの現場で国連職員の1人に対しNGOの10人が活動しているのが現状です。紛争予防に15年間取り組んできたICGもそうした市民社会の活動の一つです。私たちはどこの国の国益も代表せず、国際的な公共益に基づいて活動しています。
・・・政治家は紛争予防に真剣に取り組ませるのは難しいとよく言われます。
   紛争予防は医療にたとえるとわかりやすい。病気になれば慌てて医者にかかりますが、普段からリスク管理を怠らないのはなかなか難しい。こんなに予防したから何かが起らなかったと証明するのは難しい。要は世論、特に政策決定者に不断にリスクの重大さを訴えることです。選挙に縛られる政治家も含め、正しいことをしたいと思う人間の意志を見くびってはいけません。

'10.4.27.朝日新聞・国際危機グループ(ICG)理事長・ルイーズ・アーバー