散歩道<3531>
opinion・新世界・国々の興亡<5>
新たな紛争、「介入」から「保護」へ(2) (1)〜(5)続く 自分流に抜粋しました
・・・・紛争予防には、民主主義の理念に沿った強固な機構の育成が必要だと。
そうです。ただ近年、民主主義は誤用されがちです。米国のブッシュ前政権が民主主義の推進を体制変革の旗印としたのはその例です。また、西欧諸国はいわば”選挙中毒”に陥っています。スーダンで生涯で初めて投票する人びとに地方レベルまで複雑な投票方式で候補者を選ばせるのは考えものです。精巧すぎる選挙モデルを短期間に押しつけ、えてして強力な指導者に正統性を与える大統領制をつくり出すことになる。議会は大統領にひれ伏し、司法はないも同然、自由な報道や市民参加は認められない・・・・。「選挙の洗礼を受けた」として強権政治が民主主義としてまかり通ります。これでは平和を育てることにはなりません。
・・・・アパルトヘイト(人種隔離)後の南アフリカは、紛争後の民主主義定着のモデルになりえましたか。
確かにかなりの程度成功しましたが、ここだけの特異性も強くモデルとして他国に適用するのは困難です。例えばアパルトヘイトの犯罪や人権侵害を調査する機関「真実和解委員会」(TRC)はネルソン・マンデラ氏やデクラーク元大統領の存在なくしてはあり得ませんでした。TRCも矛盾を抱えた概念です。リベリアの2006年のTRC設置がいい例ですが、紛争後、長い時間が経過すると、過去を振り返るのも、前進も難しくなります。真実を話せば犯罪が帳消しになるため、免罪の文化を生むことにもなります。
・・・・カンボジアではポルポト政権崩壊後30年を経て特別法廷が動き出しました。
カンボジアはよいモデルとはならないでしょう。何人かの老人を信頼性の低い裁判にかけたとして、犠牲者も人びとも国自体も一体何が得られるというのでしょうか。
'10.4.27.朝日新聞・国際危機グループ(ICG)理事長・ルイーズ・アーバー 聞く人・朝日新聞主幹・船橋洋一氏
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